(PAKAIAN TRADISIONAL)
多民族国家であるマレーシアに住む人々。衣服も様々です。みなさんも街中でいろいろな服装の人々を見かけることがあるでしょう。その中でも、民族衣装に身を包んだ人の姿はひときわ目をひいています。ここでは、三つの主な民族の服装について、紹介します。
BAJU MELAYUスタイル
・上衣(低いスタンドカラーのゆったりした長袖。)
・下衣(ズボン。腰にはSAMPINGとよばれる腰巻きを巻きつける。)
※SAMPINGは,木綿,絹,金糸や銀糸が入った織物など素材は様々である。
・SONG KOK(黒い帽子)
☆これは,公式な場で着られるスタイルです。あまり公式でない場合,SAMPINGなしで着られる場合もあります。
〜BAJU MELAYUスタイル〜
または
・上衣(無地でスタンドカラー。前あき。筒袖)
・下衣(ズボンやSARUNG)
※SARUNGとは(幅1m,長さ2,5mほどの布。両端を縫い合わせ、輪にして腰に巻く。男性と女性では巻き方が異なる。
木綿のバティックや格子柄が一般的。)
※BAJUはマレー語で‘服’という意味
☆これは,通常,イスラム教徒の人がお祈りに行く時の服装です。
〜BAJU MELAYUスタイルの 〜SARUNGを
シェイクさん つけた男性〜
仕事の時や通常は,半袖シャツや,Tシャツにズボン姿などがほとんどです。結婚式などのお祝いや社交上正装を必要とする時は,バティックというろうけつ染のシャツも着ます。バティックは,カラフルな色や柄があり,素材も様々です。
〜バティックを着て〜
BAJU KEBAYA
・エレガントな,マレーの女性の民族衣装。襟なし,長袖でウエストをしぼったブラウス。ボタンがないので胸で合わせてピンで止めている。同じ柄か、同系色のSARUNGまたはロングスカートと合わせて着る。
生地は木綿,ポリエステル,ナイロンなど。色や柄は華やかなものから地味なものまでさまざま。
※KEBAYAは,前あきの上着。正装のときは、SELENDANG(ショール)をまきつける時もある。
BAJU KURUNG
・袖口,すそが広く,全体的にたっぷりした上衣(やはり襟なし,長袖)とロングスカート。スカートは脇にひだがとってある。頭をすっぽりおおう,TUDUNGを かぶる。(最近はかぶっていない人もいる。)
※KURUNGは,マレー語で‘囲う’という意味。
〜BAJUKEBAYAの女性〜 〜BAJU KURUNGの女性〜
教えてコーナー
☆どうして長袖やロングドレスなの?
イスラム教では,女性がほかの人の前で腕やひじ、すねを見せることがゆるされていないからだよ。
☆TUDUNGは家の中でもかぶっているの?
家の中ではとっています。お客が来たときは,家の中でもつけます。
〜お祈りの時の姿〜 〜通学途中の学生達〜
・上衣(KURTAとよばれるシャツ)
・下衣(PYJAMASとよばれるだぼだぼのズボン。またはDOTIというスタイル)
※DOTIとは(幅1m,長さ4〜6mほどの布。白の木綿が一般的。
出身地によって巻き方が異なる。インド北部は腰に巻いて股にはさむが,南部は腰に巻くだけ。
ペナンはインド南部の出身者が多いので,DOTIも腰 に巻くだけのスタイルが大部分をしめている。)
シーク教徒の人は,ベストやターバンもつけている。
SARI
・幅1m,長さ約6mほどの大きな1枚の布を腰に巻き,余りを肩にかける。出身地によって巻き方が異なる。生地は,木綿,絹,ポリエステル,ナイロンなどで大変値段が高いものもある。色は,はなやかなものから地味なものまで様々。
SARIの下,上衣にはCHOLIとよばれる体にぴったりしたシャツのような下着をつける。
PUNJABI SUIT
・丈の長いブラウスの下に,足首のすぼまったズボンをはく。胸から肩にかけてチュンニとよばれる長いスカーフをかける。SARIより活動的なので若い人に人気。
〜ラビィさんとSARIを着たマニィさん(学校のスタッフ)〜
☆額につけているのはPOTTU 粉を水で溶いて描く。
本来はヒンズー教徒がつけるもので未婚者は黒。 既婚者は赤。最近はシール式のものも多く色や形も様々。
男性も女性も普段は私たちと同じような服装をしていますが,街中でも,SARIを着ている女性をよく見かけます。家族ででかけたり,寺院に行く時に着る場合が多いようです。特別な場合だけでなく,日常着として着ている人もいます。
教えてコーナー
☆なぜSARIは1枚の布なの?
ヒンズー教や仏教の生まれたインドでは,ぬい目のない布こそ「聖なる衣服」であると考えられてきたから。
☆インドの男の人で頭にターバンを巻いた人がいるのは?
一部の人だけで,シーク教やイスラム教を信じている人です。
〜SARIをまとった女性〜 〜PUNJABIの女性〜
着てみようコーナー 〜あこがれのSARIに挑戦〜
@腰の右側でペチコ−トにSARIのはしをはさみこむ。
ASARIを腰に1回巻く。
B10〜15cmくらいのひだをつくり,ペチコートにはさみこむ。
C残りの布(2mくらい)をうしろから左肩にかける。
D肩にかける部分を頭にかぶることもある。
MAK KUAH
男性の民族衣装だが,めったに着ている人はいない。映画の中のラストエンペラーの中で着ているような服。
CHEONG SAM
素材は絹,ポリエステル,綿ベルベットなど。ぴったりしていて体の線がはっきり出るワンピース。たち襟。あわせがななめで中国式の布ボタンがついている。スカートの脇に深いスリットが入っている。
CHEONG SAM SAMFU
SAMFU
腰くらいまでのブラウスとゆったりめのズボン。上下同じ柄の場合が多い。年輩の人が着ていることが多い。
普段は,私たちと同じような洋装をしています。マレー系の人やインド系の人に比べると伝統的な服装をしている人ははるかに少ないです。パーティーや結婚式などでCHEONGSAMを着ている人を見かけます。また,レストランの制服にしているところもあります。
(イラスト A.M.RAFEE)