5.行事について
 ペナンには,多くの行事がありますね。でも,よく見ると,お祝いをしている人たちが少し違っていることに気づくかもしれません。複合民族国家であるマレーシアでは国家や州に関係した行事の他に,マレー系(イスラム教),中華系(仏教等),インド系(ヒンドゥー教)等の行事があります。

ディパバリ           ヒンドゥー歴6月
 ディパバリは,ヒンドゥー教徒にとって最も盛大な行事です。「光の祭り」とも言われ世界各国のヒンドウー教徒によってお祝いされます。この行事の由来については,ヒンドゥー教の神話として多くの伝説が語り継がれ,はっきりしたものはありません。しかし,「悪に対する善行」「暗黒に対する明かりの勝利」を祝うものであることは確かです。
 その日は,祖先の写真の前に好物であったごちそうが供えられ,祈祷師の周りに家族が集まりお祈りが始められます。ディパバリが近づくと,親戚や友人から送られてきたお祝いカードを飾リ,家を清めるために掃除をします。
 ディパバリの日の朝は早く,朝4時頃,身体中にジンジャリの種から採られた油を塗ります。油のお風呂に入ることもあります。その後油を落とし,新しい服を着て寺院にお参りに行きます。きらびやかに飾られた寺院でお祈りをした後,家に帰り朝食をとります。この朝食には,たくさんのご馳走が出されます。そして,親戚や友人を訪問し合い,この日を祝うのです。

タイプーサム                          ヒンドゥー歴10月
 ディパバリと並ぶ2大行事です。ヒンズー歴のThaiの月間にPusamという星が上る時に祝い,ヒンドゥー教徒が神に感謝し,難行苦行を行う祭りです。
 繁栄の神Subramaniamを内部に奉った見事に飾られたChariotと呼ばれる台車を街に繰り出すのです。宗教的罪を払うために教徒は一応決められた場所で,何千というココナツを地面にたたきつけて割ったりします。信者の中には難行苦行の一環として,身体,ほお,舌などに長い針を刺しKavadiという儀式用具をもってヒンドゥー寺院に詣でます。また,ミルクポットを肩に寺院まで運ぶ信者も多くいます。
 この祭りは現在,マレーシアとシンガポールだけで行われています。

@国家や州に関連した行事
キングスBD(国王誕生日)                    6月の第一土曜日
 マレーシアの国王の誕生日を祝う日です。しかしマレーシアの国王は9人のスルタンの輪番制です。
そのため,5年ごとに交代するその時の国王の本当の誕生日はではなく,この日と決められています。

ナショナルデー (独立記念日)                       8月31日
 1947年8月31日に英国からマラヤ連邦(現在のマレーシアの前身)が独立したことを記念する日です。クアラ・ルンプールの独立広場では民族の踊り,有名歌手の歌などでにぎやかに前夜祭が行なわれ,当日は盛大なパレードが同独立広場で開催されます。
 しかし,その時マレーシア全土が独立したわけではありません。サバ州,サラワク州,さらにシンガポールも加えてマレーシアという国が成立したのは1963年9月です。
A中華系の行事について
中国正月(チャイニーズニューイヤー)         中国暦1月1日〜15日
 正月を盛大に祝う華人社会の伝統行事として最大に祝う祭日です。春節とも言います。華人社会では一般に会社,店などは1週間ほど休みます。この中国正月は華人の家族・親戚の絆を強める期間でもあり,紅包(アンパオ)というお年玉袋がふるまわれます。
 華人集中居住地区と華人商業街ではライオンダンスと呼ばれる獅子舞いが見られます。
 また正月の飾りとして,「春」や「福」と書かれた飾りを逆さに飾られることがあります。「逆さ」,すなわち「ひっくり返る」という言葉「到(ダオ)」には「やってくる」という意味があります。

中秋節(Mid-Autumn FESTIVAL)             中国暦8月15日
 中秋節は,月をまつる日で,「土地公」と呼ばれる土地の神様の誕生日でもあります。このころになると,1年の労苦も終わりに近づき,最後の収穫の時を待つばかりとなります。そこで人々は,天(月がその象徴)と地(土地公がその象徴)に感謝し,この日を楽しく過ごすのです。
 この日の満月は,1年中でもっとも光り輝き,大きく,丸いといわれています。中国の人々はこの日に月餅を食べ,ランタン(提灯)に明かりをつけ,お月見をします。日本ではちょうど十五夜にあたります。月の神に加護を祈ると家族円満で幸せになると言われています。中秋節に月餅を食べるのも,月餅が家族円満の象徴だからです。
Bマレー系の行事について
Cインド系の行事について
ハリ・ラヤ・プアサまたはAidilfitri (アイディルフィトゥリ)   イスラム暦10月1日
 マレー人を中心としたムスリムがイスラム歴の断食月ラマダン(イスラム暦の第9番目の月)明けに祝う祭日でイスラム教徒にとって最大の祭りです。多くのムスリムはこの休み(通常は1週間近くある)を利用して故郷に帰ります。ムスリムは新しい衣服に着飾り親戚や友の家を訪れてこの祭日を祝います。 
 断食の開始は新月の観測によって決定されます。断食は日中(日の出から日の入りまで),健康な成人は守らなければいけません。その間,教典であるコーランを読んだり,教祖マホメットについて勉強したりして過ごします。しかし,日没後は、村や町はにぎわいます。モスクの前には夜店が並び,連日のように祭りのようなにぎやかさとなります。
 この日に備えて,家庭では,新しい服やカーテンを用意し,家の壁を塗り替えたり大掃除をしたりします。数日前になると,特別なケーキを焼き,いろいろなごちそうを作ったりします。
 第9番目の月が終わると新月が現れ,10月(Shawwal)となり,その第1日目がハリ・ラヤ・プアサの日になります。マレー語で,「HARI」は「日」,「RAYA」は「偉大な」,「PUASA」は古代インド語で「断食」という意味です。

ハリ・ラヤ・ハジ(犠牲祭)またはメッカ巡礼記念日  イスラム暦12月10日
 預言者 Prophet が息子を犠牲にするように神に言われたことでその信仰を試された出来事を記念しています。ムスリムはこの日,家畜を犠牲にし,その肉を貧者に分け与えます。
また,メッカへの巡礼月の最後を祝うイスラム教に基づいた祝日でもあります。「ハジ」は,聖地メッカへの巡礼を意味しています。
 ちなみにイスラム教の男の人がかぶっている白い帽子(ハッジ)は,聖地メッカを巡礼した人しかかぶってはいけないそうです。
@国家や州に関連した行事
A中華系の行事について
Bマレー系の行事について
Cインド系の行事について